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『インタートラベラー 神話と遊ぶ人』@初オペラシティ
0909kounoike[1]今夏、現代アートの旗手の一人・鴻池朋子さんの
インタートラベラー 神話と遊ぶ人という展覧会を観てまいりました。

夏前に開催された「ネオテニー・ジャパンー高橋コレクション」展(@上野の森美術館)での評判を聞いて一度観てみたいなーと思っていたら、美術通のSさまのぜひにというご好意にのっかって行かせていただきました。
ほんとは会期内に感想をUPすれば、数の論理で少しでも宣伝になるのかなとか思ったりもしましたが、
・・展覧会は9月27日で終了しております。
(でも私の感想など全く関係ないほどの←当たり前だ笑、大盛況のようでした)

というわけで終了後に感想など書くのも、なんだか間の抜けた感じですが笑、
(しかも、もやもやとしてはいたのになかなか書けず。。)
印象的だったことを、備忘録として。





大きなコンセプトとして、
“人間の心を地球というひとつの惑星としてとらえ、新旧ほぼ全ての代表作によって、
会場をひとつの「地球の内部」として構成します。
そこでは私たち一人ひとりが、想像力で地球の中心まで旅をする「インタートラベラー」となって、
鴻池が描き出す壮大な神話を経験します”

というのがあり、
観客は地球の内部のそれぞれに配置された作品達を観るために時には自分の手で扉を開け、
ひとつひとつ異なったその場所へと移動します。
そこは地球になぞらえて地殻だとか、地核といった名前がついていてちょっと物語チックな仕掛けで進んでいきます。


まず私が一番気に入ったのは(わりと最初のほうの部屋)、
うさぎのような耳を持つ、目のない2頭身くらいの<みみお>というキャラクターが、
誕生してから春夏秋冬を過ごし、やがていずこへ消えていくまでを描いた鉛筆画。
直線上ではなく、螺旋をえがくように展示がしてあって、
その配置もよかったし、観ていくと絵一枚一枚と一緒に(一生という)旅をしているような気持ち。
<みみお>がいるその場所は、深い森の中のようなところが多く、
周りには元々森に生きる生物達がいるだけで、天涯孤独の一人ぽっちなのだけど、
その絵はちっとも淋しくない、孤独ではないんです。
昼には温かな太陽が自分を温めてくれ、夜空を見上げれば星々はいつもそこにいる。
耳をすませば、姿はなくとも生物達の息吹を感じる。

人は一人だから孤独。なのではなく、
孤独感とはもっと別のところからくるもの、と改めて再認識しました。
この絵からかもし出される“魂の充足感”みたいなものも、人は無意識のうちにちゃんと知っていて、
ただ年を取り日々流されて生きていくうちに忘れてしまうだけ、なのかなと。
もっと言えば、元々人の魂は生きているだけで充足できるというか、充足してるんですよねきっと。
例えば、(ペットはどうか分からないけど)野生動物とかはそうだと思う。
まあそうはいっても、一人はさみしいっすけどね笑・・。
でも「一人だから孤独。なのではない」と思うのと「一人だから孤独」と思うのとでは、雲泥の差。
今回それを強く感じただけでも、大きな収穫があったと思う。

で別のフロアでは、<みみお>が動く映像なんかも流れていて、これはこれで不思議な感じでよかったけど、
私は鉛筆画のほうが、色んな感情が喚起されてイマジネーションが膨らむので好き。
特によかったのが夏あたりの作風ので、原画欲しくなりました。。
(ショップにはカードとかはあったんだけど、買わなかった)

次のエリアに進むと、
真ん中には大好きな白い百合の花。
その周りを囲うようにスツールのような椅子があったので、ゆっくりと腰をおろして四方に飾られた巨大な絵を眺める。
(森の中をオオカミと女の子の足(腰から下)が浮遊しているもの、他3作品)
飾られた絵のどれも、どこか遠くのようでもしかしたら近くにある“あの場所”・・だ。と思った。
疲れ果て打ちのめされた時、目の前の現実だけが自分の世界と思ってしまいがちだけど、
ああそうだ。私は(私達は)“あの場所”を知っている。
“あの場所”はちゃんと世界のどこかにあって、想像力を使えばいつだってそこへ行くことができる、
と思うととたんに安心する。
だから、いつもそのこと、世界はひとつじゃないってことを思い出せるように。この絵を記憶しよう。

っていうようなことをつらつらと。
百合の強烈な一種麻薬のような香りに包まれて、こトリップ状態で。。
(形は違えど、ここも<みみお>の鉛筆画を観た時と気持ちは同じでした)

インタートラベラーって、うまい表現だなーと思いました。ほんと。


ハイライトは、
真っ暗な中子供の頭がグルグルと、
おまけに(頭を覆う)ガラスの破片みたいなのがライトに照らされて、部屋全体をキラキラと光が回っている作品。
この部屋はまさに私が子供の頃に観た
今でも残像がある、とあるうらぶれた遊園地にあったアトラクション。
・・あれでした。
TDLの「イッツアスモールワールド」から明るさと夢を取ったようなやつで・・
って言ってもわかるわけないわな笑。
ほんとに入ったとたん、あ~~って。びっくりしました。
子供の顔が片方は空をカッっと見つめて片方は目玉がないのですが、これも感覚的になんとなく分かる気がした。
両目空いてたら別ものになってしまうのでしょうね。
でもあれは何の表情なのでしょうか。ぽかーんとあけた口といい・・感動とも虚無とも捕らえがたいあの表情。
あと真っ暗&キラキラって、なんか妙に心落ち着くものがあります。これもなんでなんだろう。


ポスターにもなっている、
大きな襖に黒×金粉使いのドクロとオオカミの群れが描かれた作品は、
ただただ美しいなあ。。と思って眺めました。(あんな、襖だけの部屋が欲しい)


そしてラストの部屋。
先に受付で注意を受けた(動物の毛のアレルギーとか大丈夫ですか的な)
オオカミの外側
剥製、しかも皮と毛だけになったものが何匹か連なって天井から吊るされていて、
その間を暖簾みたいにかきわかけて(笑)歩いていきます。
ここは別の意味で、私にとってはハイライトでした。
何故って、その匂いを嗅いでみたかったから!!で、ほぼ想像したとおりの匂いだったかな~。
昔飼っていた猫の背中あたりを嗅ぐと陽だまりの匂いがするので、それが好きでよく嗅がせていただいてましたが笑、
オオカミの毛はさすがに、微妙にすえた感じの。。絨毯か毛の敷物(そのままやん笑)っぽい匂いがしました。
手の爪とかもどんなもんかしみじみ触ってみたり・・
(だって生きてたら絶対触れないじゃないですか、しかもほぼ絶滅してるし)
ああ楽しかった笑。

途中までしんみりとまでいかないけど、自分の想像力の彼方に手を伸ばして
内省的な楽しみを見出していた私ですが、中身のなくなったオオカミを見たら・・いきなり弾けました。
やっぱりね、目の前の現実は想像力のもっと先をいきますね笑。
(いや、やっぱどっちもいいな)

とにかく鴻池朋子さんというアーティストは、絵画界の詩人だなーと思いながら観ていましたら、
次の個展は九州・キリシマの森にて、
インタートラベラー 12匹の詩人だそうです。
だよね^^;;

また機会があれば観たいです。
(Sさん、遅くなりましたが・・楽しく観てきましたよ~。どうもありがとうございました!)





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comment

気に入っていただいてうれしいです!
わたしも「みみお」には原画とともに、映像でも泣かされました。
すでに絵本にもなっているのですが、やはり原画の感動と展示の雰囲気に飲み込まれましたねー
「Earth Baby」は驚きでしたね。
わたしも手すりをぐっと握りしめて(いや、ちょっと酔いそうだった。笑)楽しみました。
鹿児島の展示も気になります。
行きたいなー。

>さちえさん
実は最初行った時はよく分からなくて、、ちょっと女の人特有の分からなさ加減かなと思ったりしたのですが、
(とっつきやすくて分かりにくい、みたいな)
2回目も(結局2度行かせていただきました♪)初回と同じ気持ちになったので、その印象を書いてみたいと思いました。
「みみお」は泣くという感じではなかったんですが、非常になんていうか悟りのような静かな気持ちになって、一番インパクトがありました。
鹿児島はもっと面白そうですよね。
パワースポットのような自然の中で観てみたい感じがします。
ほんと夏休みの宿題じゃないけど、、いい体験させてもらいました!いつもありがとね!

うわーい。ついに行かれたんですね!
ああ、そうそう、そうなんだよな~と、みいこさんの詳細なレポで
あの展示がだーっと目に浮かびました。さすがっ。
<死者の石>プレゼント(東京と鹿児島と両方の展覧会に行った人への全プレ企画)の
ちらしを引っ張り出してきて、ちょっと欲しいかも~とアホなことを考えている私であります。

>ayaさん
はいついに、というかsさんやayaさんにとってはもう遠い過去のことかと。。
(なのになのに・・コメントくださってありがとうございます!)
思えばayaさんとの萩尾望都センセ話から、行ってみたい~~と思ったのですが、
観たその時よりも、後からじわじわと「あの感じを忘れないでおこう」と思う気持ちが強くなって、ちょっと自分的には珍しい現象でした。
<死者の石>プレゼント・・あ、そんなのがありましたね!
鹿児島レポすごい興味あります・・でも私は行けないので・・sさんayaさん両方の感想聞きたいかも笑!!
というのも、何度もしつこいけど^^;鴻池さんの“とっつきやすい分かりにくさ”みたいな、その理由をなんか知りたいんです笑(そう思うのは私だけかなーそんなことないのかなー)。

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