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『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
6月のある日、突然飛び込んできたマイケル・ジャクソン(MJ)の訃報。
本当にびっくりした。
MJの代表曲が次々生まれた80年代は、私にとっても青春真っ只中だった。
(学生でもなくちゃんとした社会人でもなく、、芝居やダンスに明け暮れていた頃)
なんでヒットした曲はほぼ知ってるし(って知らない人のほうが貴重か)
特別ファンというわけではなかったけど、何故突然亡くなってしまったのか理由が知りたかった。
でもこういうスーパースターは理由以前にやっぱり夭折してしまう(そういうもの)のか、とも思ったり、
子供が生まれてからの奇行の数々や、整形を繰り返したことで崩れた顔など、
メディアが面白おかしく取り上げるせいかもしれないけど、
ああいうちょっと精神状態がおかしくなった果てに訪れた、必然的な死なのか・・とも。

そして、
死の数日前まで行われていたロンドンでのコンサート・リハーサルを収録した、ドキュメンタリー映画
THIS IS ITが公開された。
監督は、予定されてたロンドン公演での振付と演出を担当したケニー・オルテガ。
MJの長年の友人でもあるという。

で、私はそんなに過度な期待もしていなくて、
20世紀最大のスーパースターのひとりでありキング・オブ・ポップと呼ばれたMJの最後の姿を見ておきたい
くらいの気持ちで行ったのですが。。
観終わった後は(気持ち的に)立ち上がれなかったです。
私はいったい今まで何をしてきたのでしょう、ていうか、なんでMJをもっと観ておかなかったのか。
関心を向けなかったのか。
たぶん、曲はかっこいいんだけどそこまで好みじゃなかったからだろうな。
あとなんとなくイメージでMJってこんなだろう・・とわかってた気になってたのかもしれない。
本当にゴメンなさい。(誰に謝ってるのか汗)
一時期の、白塗りの顔に口裂け女みたいな真っ赤な口紅の顔を、お化けみたい・・と思ったりもしたし。

でもこの最後の映像で観たMJはそんな面影など全くなく、(aさんの言葉を借りれば)ほんと神がかっていて、
なにを今さら。だけど・・それは本物のアーティストの顔でした。
そしてなにより50歳のMJは、観客(ファン)に一ミリの失望もさせなかった。
すごいことです。
かっこよかったーーー。素敵な夢をありがとうマイケル!!


以下書き散らしですが、心に残った場面など。





冒頭はロンドン公演のためのダンサーのオーディション。
ものすごい倍率を突破して選ばれたダンサー達がMJと一緒の舞台に立てる喜びを語る。
話ながら感極まって涙を見せる人も。
そうだよな~~わかるわ~~と自分の若き頃とその姿を重ねて、ちょっとウルっとする。

それからは、次々とコンサート・リハーサルの様子が映し出される。
初めて見るMJが話す姿。
自分の曲だから当たり前なのかもしれないけど、
その全てを把握して、演奏者やダンサー、スタッフらに細かく指示を出す。
あんど判断が早い。ここは長いほうがとか短いほうが・・とかそういうことにおいても迷いは一切なし。
MJの頭の中には完璧に曲の完成形があるのはもちろんだけど、
そうでなくても、こうしたほうがカッコいい、よりいい、より芸術的。といった感覚に一寸の狂いもないように感じる。
(共演者のインタビューでも「彼は音楽というものを知り尽くしている」というコメントがあった)
ここまで神経を張り詰めていたら、そりゃあ眠れないだろうな・・とも思う。
自分の作品に対するMJはそのポップなイメージとは裏腹に、ものすごくアーティスティックで、神々しかった。
だけどもそれ以外は終始穏やかというか、
(みんながMJをリスペクトしていることや、MJがそんな共演者やスタッフ達を信頼しているからだと思うけど)
素直に意見を聞いて従ったり、軽く冗談を言うなどいい雰囲気でもの作りが進んでいく様が見ていてとても心地よかった。
よく言われるように、
自分はスターだと威張りちらしたり不必要なまでに神経質でピリピリしてるような人は、所詮普通の人間なんだろう。
本物のスーパースターは、ONOFFの使い分けが上手いし(というか自然に出来るのだろう)
他人にも優しいし、とにかくいろんな面で別物という気がしたMJ見ていて。
そして、その圧倒的な才能と自信からくる余裕とかが=存在感なのかな。
時に棒付きキャンディーを口に入れながら、モニターチェックしたりするのも妙に可愛らしかったして、
その姿からは死の影なんてものは全然感じられず、このあとすぐに亡くなるとは、どうにも考えられなかった。


そして、それよりなにより・・
心を打たれたのが踊り、そうあの独自のダンス。
知らなかったわけじゃないのに、あらためてじっくりと心を込めて観たからか、
それとも彼が亡くなってしまったから余計なのか、自分でもよく分からないのだけど、、
この私がMJの踊りを観て泣く日がこようとは、これっぽっちも考えたことはなかった。
なんていおうか。。
踊りの世界でも上手い人というのはざらにいるけど、
私が常日頃から思ってる、普通の人と本物のアーティストの決定的な違いのひとつが、
普通の人はどんなに上手くても、音楽に乗って(沿って)踊っているのに対して、
本当にすごい人というのは、その人自身から音楽が流れているように見える。ということ。
初めてマニュエル・ルグリ(元オペラ座のエトワール)を観た時もそう感じたし、
マリインスキーバレエの至宝、ウリヤーナ・ロパートキナもしかり。
そしてそしてマイケル・ジャクソンだった。

でもMJの場合はちょっと違って、音楽が流れているというよりは、
彼自身のインスピレーションによって、体が動いている感じというのか。
もちろん振り付けはあるんだろうけどあるように見えない。
普通の人はどんなに上手くても、ここはこういう風に踊ったらカッコいいとか、
顔はこの角度でとか、考えて踊っているように見えてしまうのに対して(そんなこと思ってないほうが多いと思うけど)
MJの踊りは、形を超えてしまっている。
しかもどこをどう切り取ってもMJ(オリジナル)でしかなく、たぶん本人はこの時顔はこの角度でとか思ってなくて、
(観てる側がそう見えるってとこが大事)
なのに“形を超えていて形が完璧”なんですよね・・うまくいえないけど。

本当は、つきつめていけば、これなのだ。
形を追うのではなく音楽へのインスピレーションで突き動かされる体。
本来は原始的である踊りが、文化によって洗練され表現者によって芸術へと高まり、
それは言葉はなくともちゃんと人から人へと伝わるんだなということもあらためて感じた。
(だって不思議ですよね、ただの体の動きなのに。。といったら芸術全てがそうなんだけど)

いやー
並みいる若手ダンサーよりも50歳のMJのほうがカッコよかったこと。
人差し指を突き上げるだけでこんなにもグッっときて、
その全体のバランスからいうと、大きすぎる手もセクシーだなと思ったこと。
(今までは男性的とも女性的でもなく、中性・・どちちかというとあまり人間ぽくない感じに思ってた)
ずっと忘れない。
いつだったか、ロパートキナを生で観て「(その踊りを)世界遺産に!」と言ったファンがいたらしいけど、
私も、ムーンウォークも全部ひっくるめてMJの踊りを世界遺産にしたらいいっ!!と思いました。


新生(?)「Thriller/スリラー」
セットや衣装メイクもきっちり作りこんでいて、期待でワクワクした。
(ここまで見せられて)本番観れないなんてほんと酷~~。
いや、全てにおいてリハーサルでもこんなにかぶり付きで観てしまうくらいだから、
これは(MJ含めた全員本番はアドレナリン出まくりだろうし)ものすごいものが出来ただろうな・・・と
上映中何度も思って鳥肌が立ちそうだった。

「Billie Jean/ビリー・ジーン」
MJのソロ。
ここが一番最初から最後まで泣き通しでした。素晴らしかった・・。
言葉など何も思い浮かばす、ただ呆然と観ていたいだけ。
で、ダンサー達はというと、舞台下で呆然というよりか興奮した面持ちでこれまた神を見つめていたわけですが、
有名な股間に手をやる振りと同時に、気持ちがMAXに達した男性ダンサーがの手が思わず自分の股間に!!!
(↑変な意味じゃなくて^^;)
でも私は、ああこれだっっと思いました。まさにTHIS IS IT!
うまく表現出来ないけど、このキラキラした、宇宙の果てまで飛んで行きそうな気持ち。
これこそ生きててよかったと思う瞬間ですよ。

他にもグッときた場面がたくさんあったのだけど、
(オーディションで選ばれたギターの若い女の子とのからみでの、「大丈夫、(僕が)そばにいるから」とかもう・・号泣)
ラスト、MJが言ったこの言葉が私にとってのダメ押しでした。

「(みんなを)未知の領域へ連れて行こう」

人それぞれ好きなスターがいて、好みは違ったりせよ、
スターの何にいったいそこまで惹かれるのか、思い入れたりするのか考えた時に、
つねづね思ってたことが、まさにこれで。。
未知の領域へ連れていって欲しいんだと思う、みんな。
それは突拍子もないことを見せつけられたり、見たことないような新しいものが観たいとかとはちょっと違って、
結局は自分なんだよね。
自分の知らない自分、今まで知らなかった感情の世界を知る喜び。
しかもこれまでの世界観が引っくり返るくらいの領域へ。
連れて行って欲しいと・・思う。
そしてそれが出来る人が、スーパースターなんだと。
MJがこんなことを言うなんて思いもしなかったし、冒頭からのパフォーマンスにやられっぱなしだったこともあって、
最後にわたくし本当に打ちのめされてしまいました。

0911MJ[1]ありがとうマイケル。
私もやっぱり、死ぬまでダンスが大好き。だと思う。







ついでに笑、
あの頃好きだった曲と、思い出話。
20年前、代々木にあるブロードウェイダンスセンターに通っていて、
その時のことは(何をやったか)ほとんど覚えていないのだけど、この曲での振付けだけは、
めちゃめちゃクールでカッコよかったので今でもうっすら記憶している。
・・もちろん難しくて踊れなかったけど^^;;
(ジャネットジャクソンの振り付け師とかもスペシャルイベントとかで教えにきていて、もしかしたら、
その方の振り付けだったのかなと思うけど、なにせ大昔のことで多分記憶もごちゃまぜ・・)

あまり有名じゃないと思うけど、覚えてる人はいるかなー。

**『Give Into Me
※ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュがギターを弾いてるらしいです(知らなかったわ笑)





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comment

当初は完全にオルテガとMJのプライベートのための記録フィルムだったのが、ここまで秀逸なドキュメンタリーに進化したのはやっぱりオルテガという天才の力量でしょうね。
Thrillerは3Dで撮ってたんですね!
見たかったなぁ。
わたしはあのハーフのコーラスの女の子がすごく緊張しながらデュエットのリハに臨んでたシーンが印象に残ってます。
色んな意味で彼はLegendだったんだなぁ、と思いました。

ルグリを出してこられるなんて、さすが
みいこさん、かっこええわー♪
私もやっと観れた!本当にどうしても時間が取れなかったのだけど、今思うと、観るのが怖かった気持ち
も少しありました。
杞憂に終わったけどね。(^^;;
トップクラスのクリエイターたちが、MJに憧れて、熱望して、作り上げていた舞台だと思うと、
本当に、あの人たちに一緒に作りきる機会をもって与えてあげて欲しかったなあと思いました。
踊らせて、歌わせて、弾かせて、ライティングして・・・
それがまた無性に悔しくて、哀しくて、残念でまた泣けました。
無償に与え続ける人がMJだったんだなあ。

みいこさんの仰りたいこと、よくわかります。
そうなんだよね、どこの世界でも、一流の人っていうのは皆、ごく自然です。
彼らにとってアタリマエのことをアタリマエに表現しているだけだからね。
努力も自己節制もそらァ並じゃないですけども、それすらも苦ではないという。
それも、才能のうちですね。
彼や彼女の凄いところっていうのは、その才能が他人をインスパイアするところなんですよ。
だから、そういう人を見つけたら、できるだけ近くにいて一緒の空気を吸った方が良いよ、可能な限り張り付いていた方が良いよ、というのがわたしの持論(笑)
わたしとしては、わがおやっさんとマイケルがほとんど同世代ってことに、軽く眩暈を覚えますけどね。。。
信じられない、色々な意味で。

ふぃー。読み応えあるレビューでしたー。ええ、まさに一遍のレビュー。
ダンスに生きている人だからこそ、の目線に感動しちゃいました。
ちょっとくらいは醒めた気持ちもあった性格の悪い私をも
ノックアウトしてしまうくらいの映画、いやMJの存在でありました。
身体の痛み、不眠に苦しんでいたことを感じさせない
あの穏やかさ・揺るぎ無さがホンマに神様みたいでしたね・・・。

>さちえさん
マイケルがオルテガさんに「君がそう言うのならやってみるよ」っていうシーンがありましたよね。
うわーマイケルにそんなこと言わせるオルテガさんってどんな人~~??って思ったけど、
ダンサーへの振り付けも進んでしてたし、色んな才能あふれる方だったのですね。
確かにこの映画の愛に溢れた雰囲気も、(マイケルとの関係を考えると)オルテガさんにしか出せなかったかもしれませんね。
Thriller、私もめちゃ観たかった!!
目の前にニンジンぶら下げられて、いきなりやっぱり無し!って奪い取られたような気分です。
しかし、映画観てますますその死が納得いかない感じになりました。
何を言ってももう戻ってはこないけど、あまりに惜しすぎます。。
>mint2さん
うわ~んもしかしてmintさんもルグリ様お好きでしょうか~^^(私はもう「様」付け笑)
最初観た時は、こ、、、これがえすぷりかっーーーえすぷりなのねーーと叫びそうでした笑。
>トップクラスのクリエイターたちが、MJに憧れて、熱望して、作り上げていた舞台
ほんとですねー。
一流のスタッフが集まってるだけあって、モノを作る場としては最高の雰囲気でしたね。
不毛な議論もないし、スマートで、でも相手とのやり取りをおろそかにせず、いいものを作ろうという気概に満ちていて・・
そこんとこも感銘を受けました。
みんなすごくいい顔してたし、だからこそ、彼らの心情を思うと泣けてきますね。。
もう、マイケルのばかばか~~~って言いたい!
>MARIさん
あーやっぱりそうですよね。
今後そういう人を見つけたら絶対逃がしません笑。>一緒の空気を吸った方が良いよ、可能な限り張り付いていた方が良いよ
それには、審美眼ってのもっと磨かなくてはいけませんね?マダム♪
あとは、どうしたらいいんだろう笑。。でも私もMARIさんがおっしゃりたいことよく分かります!がんばりますっ
>信じられない、色々な意味で
どんな意味か気になります・・あのお方も紳士でしかもものすごく若くみえますよね。
>ayaさん
読んでいただいてありがとうございます。(ながながなが・・がクセのようで・・かたじけない^^;)
ayaさんが神のようだったと言ったのが、すーっと心に入ってきました。
しかし人間体に不調があると、無意識にうちにイライラしたりしますよね。
あの穏やかさは一体なんだったのでしょう。今でも不思議です。
そういう意味でもマイケルは色んな謎を残して逝ってしまいましたが、
この映画を観たことによって、色々考えるきっかけにもなった気がします。
スーパースターってほんととてつもない存在ですね。

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